さまざまな職種が連携を取って支える在宅医療

在宅医療を支える職種は、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなどさまざまです。しかし、在宅医療に携わる人は勤務時間の大半を訪問先などで過ごすため、同じ職場のスタッフ同士が顔を合わせる時間はとても限られています。緊急対応を行っている在宅医療の医療機関では、夜は夜間専門の医師が対応したり、スタッフが交代制で受け持ったりする場合が多いです。そこで、夜間や休日の緊急対応が速やかに、かつ正しく行われるためには、申し送りを徹底させなければいけません。もちろん、在宅医療の現場でも朝の全体ミーティングや、夜のカンファレンスも頻繁に行われています。ですが、患者さんの緊急対応に追われるスタッフは、ミーティングやカンファレンスへの参加は困難でしょう。

そのような場合に備えて、申し送りの体制強化が必要です。たとえば、電子端末を使用して、遠隔地でも最新情報をスタッフ全員が受信できるシステムを作っておくと安心でしょう。紙に手書きで記録する方法もありますが、医療機関の規模が大きければ大きいほど役に立たない可能性が高いです。昔と違い、今は電子機器を持たない人のほうが少なくなっている時代にあるため、連携が取りやすくなりました。これは、在宅医療の現場で働くスタッフにとって、とてもありがたいことでしょう。在宅医療は個人プレーではなく、チーム医療です。そこに所属するスタッフが情報を共有してお互いに知恵を出し合い、患者さんや家族を支えて行かなければいけません。また、一人ひとりのスタッフだけではなく、訪問診療から往診、訪問看護までさまざまな在宅医療が、地域の患者さんを支える大きなエネルギーになっています。